【短】あのね、好き・・・
これが、あたしなりの気遣い。
必死に大丈夫ってことを伝えようとした。
だけど、そんなの拓斗くんにはすぐ見破られちゃって・・・
「何言ってんの?無理してんの、ちあのほうだろ」
・・・ほら・・・
やっぱりダメだよ。
拓斗くんは、あたしのことなんて何でもお見通しなんだね。
でもね、いつも拓斗くんの優しさに頼ってたらダメなの。
その優しさに甘えてるだけじゃ・・・
あたし、何もできなくなっちゃうんだよ・・・
だから・・・
せめて今日だけは、拓斗くんに頼らない。
そう、自分で決めたんだ。
「ホントに大丈夫だから。
じゃあ、あたし準備するね。ゆっくり休んで」
そう言って、
拓斗くんにしゃべる間を与えないようにすぐ電話を切った。
・・・大丈夫・・・
いつまでも心配かけてばかりじゃダメだから。
あたしなら・・・大丈夫。