【短】あのね、好き・・・
もう、前までのあたしじゃないんだ。
強くなったんだから。
何度も、何度も自分に言い聞かせる。
洗面台へ向かい、冷たい水で顔を洗う。
冬の寒さに比例して、かなり冷たく感じる。
だけど、今のあたしにはそれくらいがちょうどいい。
自分の頬を両手で叩き、完全に目を覚ます。
「よし・・・っ!」
そして、カバンを持ち玄関へ向かう。
靴を履き、ドアに手をかける。
ふと後ろを振り返り、誰もいない家に向かって「行ってきます」そう言って学校へ向かった。