【短】あのね、好き・・・
ほんとの気持ち
「あたし、この学校に転校してきてすぐに先輩に目つけられて、
クラスのみんなや1年生全体の人たちは誰も近づいてくれなくて。
親の転勤って理由で、なんであたしがこんな思いしなきゃいけないの?って思ってたの」
「うん」
「だけど、そんな考えしてる自分が嫌で・・・
あたしは一人でも大丈夫、友達なんかいらないって・・・そう考えるようになった」
「・・・うん」
ここまで淡々と話せている自分に、少しびっくりする。
でも、止まらない。
拓斗くんに全部聞いてほしいって・・・思うんだ。
「毎日の学校が退屈で、家にも誰もいないから・・・あたしはずっと一人だった。
でもね、やっぱり寂しかったんだよ。
やっぱり誰かと友達になりたかった。楽しい学校生活を送りたかったの・・・」
「・・・・・・」
ここまで“うん”とだけ相槌をうっていた拓斗くんも
ついに何もしゃべらなくなった。
だけどあたしは続ける。