【短】あのね、好き・・・
あたしは、前を歩く拓斗くんの背中を見ながらもう一回、涙を流した。
・・・今まで、あたしのことをこんなにわかってくれる人なんていなかった。
いつもみんなに優しくて、
人気者で、空のように広い心を持った男の子・・・
あたしは、そんな男の子に“恋”をしたんだ――・・・
「ちあ!早く来いよ、帰るぞ」
振り返り、そう言った拓斗くん。
あたしは、今までで一番元気な声で、明るい笑顔で・・・
「うん!」と返した。
その返事に満足したのか、拓斗くんもとびっきりの笑顔であたしを迎えてくれた。