魔法世界−ファントムシティ−
――何故だろう。
何故か、無性に……、
寒気がする。
「ライト?」
行ッテハナラナイ…。
「…ライト〜?」
行ケバ必ズ後悔スル…。
「ラ・イ・ト・君?」
開ケタハナラナイ
【―――】
ガ開クカラ。
行ッテハナラナイ…――。
「………った…」
「へ?」
「わかった」
「本当?!」
「あぁ……」
俺がコクンと頷くと、跳ね回る勢いで喜ぶティア。
俺はそんな自分の返事に、自分で驚いた。
断ろうと、思ってたのに……。
何故………?
しっかりと頷いて、返事をしてしまった…。
――本能に逆らって。
まぁ…いいか。
面倒じゃない訳では無いけど、別にきっぱり断る程嫌って訳じゃないし。
俺はその時、そこまで深くは気にせず、そう思った。
――本能に逆らったこの行動が、
まさかあんな事に繋がろうとは、
夢にも思わなかったから。
つまり。
俺はこの後、
この時の自分の判断を深く後悔する羽目になる、と言う事…。
あの頭に響いてきた声は何だったのか……。
知るよしもなく。