魔法世界−ファントムシティ−
「裏庭探し!?なんか、それ……楽しそう!!」
「でしょう!?」
………。
いやいや……お二人さん?
意気投合するのは構わないんですけどね?
「よ〜し!早速レッツゴー!」
「ゴー♪!!」
「ちょっ……ナナリー!?ティア!?」
いきなり走り出すのはやめてくれません?!
二人して和気あいあいと裏庭がどーのこーのと話していたと思ったら、突然……走り出した。
楽しそうにケラケラ笑い、旧校舎のある方へとダッシュで向かうティアとナナリーは、多分、俺達の事なんて忘れているだろう。
「おい…っ!!」
後ろから声をかけても、立ち止まる気配は全く無い。
俺達と二人との距離は、すでに20メートル以上離れていた。
はぁぁぁ……。
面倒くせぇ………。
心の中で深いため息を落とし、眉間にシワを寄せる。
「……追うぞ、アミ」
「うんっ!」
俺はアミと同時にティアとナナリーの後に続き、旧校舎へ駆け出した。
確か旧校舎は学園長と古株の教職員以外は立入禁止になっているはず。
……あの長髪男性教員の言ってた事が正しければ、の話だが。
と言う事は、生徒や部外者が入れないように、何らかの魔術が施されているはずだ。
それなら、あの二人が旧校舎に入る恐れは無い訳だ。
まぁ……
もとより、二人が探しているのは裏庭だ。
万が一、入れたとしても、旧校舎に入ろうとする事は無―――…
いや……無いとは言い切れないな…。
あの二人は何をするのか予測不能だからな…。