魔法世界−ファントムシティ−
俺はペンダント型の魔晶石を魔獣に向けてかざし、ペンダントに刻まれた呪式<ジュシキ>を詠唱<エイショウ>した。
古代ミーティア文字で刻まれた、封じられた“炎の力”を解放する言葉。
「…《聖なる炎が闇を照らす時、我の声に呼応し、汝、力を解き放て。静寂の中に唸る炎を。闇を照らす光の伴<トモ>を。…―――今、ここに。》」
途端にペンダントが神々しく輝き出す。
ペンダントの光にビクつき、低く唸り出した魔獣に。
ペンダントから矢のような炎の細長い渦が直撃。
「キャンッ!!」
獣は短く鳴いて、ナナリーをサッと離すと、何処かへ逃げ去った。
―――で・も。
今はホッとしてる場合じゃねぇんだけど。
魔獣がいきなり放り投げるものだから、ナナリーは身構える間もなく。
このままだと、確実に剥き出しのコンクリートの床に頭から思い切り打ち付ける事になる。
まぁ…、そんな事させるような俺じゃないけどね?
考えるより先に走り出す。
「きゃ……っ」
目を固く閉じ短い悲鳴を上げたナナリーを、間一髪で受け止める。
魔獣が逃げた事を確認した瞬間、ナナリーの方へと走り出し、ナナリーが落ちる場所に滑り込んだ。
……結果。
下から抱き上げる形になり、いわゆる……“お姫様抱っこ”になってしまったのは……、仕方ない。
と、言うより。
はっきり言って、そんな事、俺は気にしてなかったりする。
いや、男がそれを気にする方が変な気、するし?
俺がナナリーを抱き留めた直後、ティアとアミが俺達に駆け寄る。
「「ナナリー!ライト!」」
……息ピッタリ。
…ん?待てよ?
ナナリーとアミが双子、なんだよな?
ティアは違うよな?
錯覚するぞ、おい…。
……まぁ、それは置いといて。