春夏秋冬〜Side〜



ベッドの中で、自分の発する熱にもがきながら、夢と現実の世界を行ったり来たりして、朦朧としていた。
短い夢を何度も見た。

真っ白な世界にいたり、ビルの上を身軽に飛び回ることが出来た。

そして、

悠斗と海辺にいた。

俺達は二人、南の島の砂浜に横たわり、眠っていた。

俺はそんな姿を空から見ていた。

静かな波が、突然水しぶきをあげた。

波に目を向けると、虹色の何かが太陽の光を反射した。

よく見るとそれは、俺達に近づいてくる。

浅瀬になると、それは波音を立てて、頭を出した。

人だ。髪の長い女の子。

だけど、何かがおかしい。

―――女の子の下半身は、太陽の光をキラキラと反射した魚の姿だった。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop