続☆オカマに恋した☆





 アタシは屋上へ着くと、くるりと振り返った。



莉紗さんが潤んだ瞳でアタシを見つめる。



莉紗さんの、カラコンの淡いブラウンの瞳が今にも泣き出しそう。



「ごめん……ずっと連絡出来なくて」

 今更ながら、アタシはそう言った。



「ずっと話したかったし……会いたかった。

不安で…不安でー…

押しつぶされそうだった」

 そう言って、莉紗さんはアタシに抱きついてきた。



「ごめん…ごめんなさい…ー」

 アタシは唇をぎゅっと噛み締めながらそう言った。



莉紗さんは強く…強くアタシを抱きしめてくる。



けど、アタシは……



アタシには遥がいる。



ただ、ただ立ち尽くしてた。



腕を莉紗さんの背中に回すことはない、決して。



振りほどきたくても……こんな泣きそうな莉紗さん。



あの日の悪夢がよみがえる。



思い出したくもない。



忘れたい。



苦しい…めっちゃ苦しい…。


< 126 / 384 >

この作品をシェア

pagetop