続☆オカマに恋した☆
「遥…」

 俺はたまらず、遥を追いかけて手をとった。



遥…遥…遥…何度心の中で名前を呼んだだろう。



手をとったのに、遥は立ち止まったのに……どうしていいのかわかんなくなる。



一ノ瀬と付き合って欲しくなんかない!!



確かに手をつないでいるのに、見つめ合ってるのに俺と遥の距離を感じる。



こんなにも、触れられる現実にいるのに。




 文化祭を思い出す。




あん時は幸せだった。




ほんとに心が触れ合えてた。



想いが通じ合えてたのに。



何で??



何でこんなんになったんだろ?



俺のせいなんだ…全部。


 左手を繋いでいるのに、力んでるせいか右手が痛む。



 俺は遥を病院の裏口へ連れ出した。



「ごめん…何か勝手に連れ出したりして」

 ちょっと強引に手を引いて来た。



遥の柔らかい手、この手を失いたくない。
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