続☆オカマに恋した☆
俺は遥の左手をとってあてもなく歩き出す。
自分勝手すぎる。
迷って迷って…
ひたすら迷って。
弱すぎなんだ。
遥と離れるって決めたのに…
矛盾だらけで
わがままで。
右手には痛みがはしる。
それでも、このまま包帯グルグル巻きだけど手を繋いでいたかった。
きっと一生忘れない。
この痛みと、包帯からでも感じ取れる遥の柔らかな手の感触。
「痛くないの?」
そう言って遥は手を離そうとする。
「痛くなくない」
俺はそっと手に力を込め苦笑いした。
「何それ…」
遥は微笑んでそう言った。
莉紗さんを置いてきたこと…赤ちゃんを失ったこと。
全て解決なんかしない。
ひとつも。