続☆オカマに恋した☆
ふいに、遥が波打ち際に近づいた瞬間に、俺は軽く左手で遥の背中を押した。
バランスを崩して、遥のパンプスが波に浸かる。
「やだぁ−!! もぉっ!!!」
怒りながらも、遥は笑ってる。
今一瞬だけでいい…現実逃避したい。
遥も濡れたパンプスを脱ぎ捨てた。
俺はそれから、足を極寒な海水に浸しながら、ちょっとずつ深い方へと歩き始めた。
ゴツゴツした石と貝・砂の感触・海水の冷たさ。
潮風の香り。
全部忘れたくない。