続☆オカマに恋した☆
俺は急いでジーパンを履き、シャツを引っかけコートを手に走り出した。




寒空の下を全力で駆け抜けた。



莉紗さんから逃げたい。



「愛…?」

遥…の声がして俺は立ち止まってゆっくりと振り返る。



人通りのない路地裏で偶然にも遥と会った。



俺を発見すると、タレ目のクシャッとした満面の笑みで駆け寄ってきた。



こんな最高な笑顔…もう見れないかもしれないんだ。



「ハァ…ハアッ……」

息を切らしながら俺も必死に笑顔を作る。



こんな状況で笑えない―

けど、笑い合えるのはこれが最後かもしれない。



遥から笑顔が消えて、視線が泳ぐ――



ふと気づいた
ヤバい…俺のシャツのボタンが一つも止まってなかった。



急いでさりげなくコートを羽織って、ごまかそうとする。



けど…遥の瞳は俺のそんな姿をじっと見つめる。
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