罪過
「キライ?」
ささやく声。
あたしは返事ができなかった。
くちびるが離れていく。
つむったまぶたをゆっくり開いていくと、カレがあたしを見つめていた。
黒い瞳が、じっとあたしを見下ろしていた。
「キライじゃなきゃ、スキ…?」
くちびるが、ゆっくりと動く。
上下左右に動いて形を変えるくちびるに、あたしは目を細めた。
スキ? と、カレはまた聞いてきた。
わからないのに、あたしはコクンとうなづいていた。
「そう、カナ……オレも好きだよ」
そう言って、カレはあたしの中に入ってきた。
それはとても熱くて、力強くて……
だけど、痛くはなかった。
伝わる感覚が、息もできないくらいにあたしの体を苦しくさせる。
悲鳴にも似た声が、口からあふれ出る。
しがみついた腕に、あたしは爪を立てた。
きつく、きつく食い込む爪が、皮膚に傷あとをつけると同時に、あたしは叫んだ。
「おにいちゃん……!」
ささやく声。
あたしは返事ができなかった。
くちびるが離れていく。
つむったまぶたをゆっくり開いていくと、カレがあたしを見つめていた。
黒い瞳が、じっとあたしを見下ろしていた。
「キライじゃなきゃ、スキ…?」
くちびるが、ゆっくりと動く。
上下左右に動いて形を変えるくちびるに、あたしは目を細めた。
スキ? と、カレはまた聞いてきた。
わからないのに、あたしはコクンとうなづいていた。
「そう、カナ……オレも好きだよ」
そう言って、カレはあたしの中に入ってきた。
それはとても熱くて、力強くて……
だけど、痛くはなかった。
伝わる感覚が、息もできないくらいにあたしの体を苦しくさせる。
悲鳴にも似た声が、口からあふれ出る。
しがみついた腕に、あたしは爪を立てた。
きつく、きつく食い込む爪が、皮膚に傷あとをつけると同時に、あたしは叫んだ。
「おにいちゃん……!」