罪過
いつからだろう…?

もう、ずっと前のことだからよく覚えていないけど、あたしはおにいちゃんと秘密の約束をした。


誰にも言っちゃダメだよ。



小さすぎたあたしは、それがどれだけ大変なことなのかわからなかった。


それから間もなく、秘密の約束が両親にバレて、あたしはお兄ちゃんと離れることになってしまった。


離れる前日に、お兄ちゃんはあたしにこうささやいた。



「ずっと一緒だからね」




離れるのに、そんなことを言ったんだろう。


不思議に思ったけど、お兄ちゃんの言葉は現実になった。







数日後、家から立ち上る黒い煙に、両親は消えてしまった。




「ほら、言った通りになっただろ」




お兄ちゃんがあたしのもとに戻ってきた。


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