罪過
あれから、6年経つのかな……?



小さかったあたしも、今はもう…16だ。


お兄ちゃんと交わした秘密の約束が、重罪だってこともわかる。





わかるけど、離れられない。





やめることができない。




だって、あたしには……お兄ちゃんしかいないんだもん。



どんなに離れようとしても、上手くいかない、上手くできない。


あたしの家族は、お兄ちゃんしかいないから……。



眠るお兄ちゃんに、またキスを落とす。



寝ていたお兄ちゃんの手が、そっとあたしを胸に引き寄せた。


すっぽりと胸におさまると、安心したように眼を閉じた。



温もりが愛しい。


お兄ちゃんと言いかけて、あたしは言い直す。


「ショウゴ」


愛しい人の腕の中で、あたしは眠りについた。





< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop