ならばお好きにするがいい。
次の日、私は1人廊下を歩いていた。
──「結城、お前後で職員室に来い」
お馴染みの低くて不機嫌そうな声に名前を呼ばれたかと思ったら、なんと突然の呼び出し。
私、何かしたっけ?
今日は聡未の邪魔があったから先生のところに絵は持っていけなかったし……。
特に怒られるようなこともした覚えないんだけどなー……。
ってことは!
「なんで今日は持ってこねーんだよ、絵。……持ってこなければ持ってこないで寂しいんだよ、バカ」
ってついにデレたりして……!
そんな妄想をしながら歩いていたら、あっという間に職員室の前に到着。
「失礼しまーすっ!小田切先生に会いに来ましたーっ!」
意気揚々と扉を開くと……。
「うるせェ。もっと静かに入ってこい」
すぐに目に飛び込んできたのは、小田切先生の姿。
まさか扉の前で私が来るのを待っていたんじゃ……!
「勘違いするなよ。俺も今丁度職員室に入ったところなだけだ」
……なんで私の心の中読めるんだろう。
「話がある。来い」
話ってなんだろう?
わくわくしながら先生の後ろを付いていくと、先生は自分の机から何やら分厚いファイルを取り出した。
そして、付箋のついたページを開いて、それを私に突き付けた。
「へ……?」
34、28、4、31、12、27、9、15……見覚えのあるようなないような数字が淡々と並んでいる。
「なに……これ?」
「分かんねーのか?」
「およ?」
「これまでやってきた数学の小テストのお前の点数だバカ」
なるほど、どうりで見覚えがあるはず……って、嫌な予感!
「いいか、単刀直入に言う」
先生の眼差しが一層鋭くなる。
「次の小テストで60点以上取れなかったら、お前だけ補習授業を行う」