ならばお好きにするがいい。
 
熱にうなされていた時とはまた違った苦しそうな表情で、先生はベッドに横になった。


「先生、大丈夫?」

「……やっぱりお前俺のこと殺す気だろ」

「違っ……そっ、そんなつもりじゃ……!」


慌てて否定しようとしたら、先生がくすくすと笑った。


「次作るときは、加減して作れよ。量はあの半分でいい」

「え……?」


それって……。


「また、作ったら食べてくれるってことですか……?」


私のその質問に、先生はハッと表情を固くすると、すぐに照れたような、困ったような表情になった。


「せんせ……」

「……唐揚げとカボチャの煮付け」

「?」

「……だから、次は唐揚げとカボチャの煮付けが食いてえっつってんだよバカ」


耳まで真っ赤になっている先生が可愛くて。思わずにやけてしまった。


私が大きく頷いたのを確認すると、先生はプイッとそっぽを向いた。



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