ならばお好きにするがいい。
 
放課後、私は1人で図書室にいた。


あれから聡未にしばらく教えてもらったものの……全くと言っていいほど理解できなくて。
しまいには、「中学校戻ってやり直せ」って怒られてしまう始末。


どうしよう……このままじゃまた60点以下確実……。



──次の小テスト、60点以下だったら二度とお前と口をきかない。



小田切先生のあの言葉が脳内に甦ってこだまする。



「そんなの絶対にいや────────────────ッッッ!!!!!!!」



頭を抱えてバシバシ机を叩いていると……。



「コラー。図書室では静かにー」



背後から聞き覚えのある声。

バッと後ろを振り返ると、背の高い男の人が本を読みながら立っていた。



「樫芝(カシバ)先生!」



樫芝先生は隣の隣の隣のクラスの担任で、小田切先生と同じくらい若い先生。

でも性格はゆるくて、ちょっと気が抜けてて、小田切先生とは真逆な感じ。
でも小田切先生と一緒にいるところをよく見かけるから、意外と仲はいいのかも。

ルックスはこれまた小田切先生とは対照的。
いつもスーツでビシッとキメてる小田切先生に対して、樫芝先生はいつでもジャージ。
顔は聡未いわく「万人受けする顔」らしい。つまり誰がみてもかっこいいって思うらしい。でも私は断然小田切先生の方がかっこいいと思う。



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