ならばお好きにするがいい。
美術室前の廊下の掲示板には、生徒が描いた絵が貼られている。
ずらりと並ぶ寒色系の風景画たちの中に1つだけぽっかり浮かぶ鮮やかな黄色は、やけに目立っていた。
ヒマワリ。
ヒマワリ、だけ。
太陽みたいに眩しいヒマワリだけが、画用紙からはみ出んばかりに大きく描かれている。
そのヒマワリの絵は、私が描いた。
こないだの美術の写生の授業、テーマは“学校の風景”だった。
どの場所を描こうか校内をうろうろしていた時、校庭に咲いていたヒマワリが目にとまった。
そして、いつの間にか私の手には筆が握られていて、気付いた時にはパレットも画用紙も真っ黄色だったんだ。