ならばお好きにするがいい。
するとその時、扉がガラッと開く音がした。
驚いて振り返ると……。
「なーにやら騒がしいと思ったら……なんだキミたちか」
「樫芝先生!」
勢いよく開かれた扉から中に入ってきたのは、なんと樫芝先生で。
小田切先生と私を交互に見るやいなや、ニコッと笑った。
「……雅人、鍵はちゃんと閉めといた方がいいよ」
「黙れ、変な想像すんな変態。何もやましいことなんてしてねーよ」
「誰もやましいコトしてるなんて言ってないでしょーよ。なんで鍵閉めるイコールやましいコトになるの。ヘンタイ~そういう風に考える雅人の方がヘンタイ~」
「うるっせぇえ!!!!!!!つーかテメェは一体何しに来たんだ!?あン!?」
樫芝先生は「ふう……やれやれ」と眉をハの字にしながら、窓の鍵に手をかけた。
「もうすぐ下校時間でしょ。だから校内の見回り」
「おつかれさまですっ!」
「ん!でもねー……今日の見回り当番、ホントはオレじゃないのよねー」
樫芝先生かそう言いながらチラ、と小田切先生を見ると、小田切先生はびくっと一瞬肩を揺らした。
「お前が自分の仕事忘れるなんて初めてじゃない?」
「う……る、せェ……」
「それが代わりに仕事やってくれた人間に言うセリフ?」
樫芝先生は私の頭を撫でながら、小田切先生を見て楽しそうに笑った。
「仕事忘れちゃうほど莉華に夢中だったんだ?」
「な゙!!!おまッ……ぇは、何を言ってんだっ!!!」
小田切先生が手を出すと、樫芝先生はそれをひょいっと避けた。
「ほんっとに気ぃ短いんだから雅人は。ノイローゼ?」
「黙れ!んで結城、お前もさっさと帰れ!下校時間だろーが!」
「ほらまたすぐ八つ当たりする」
暴れる小田切先生と、それをからかう樫芝先生。
じゃれてるようにしか見えない……。