ならばお好きにするがいい。
「授業の前に、先週告知しておいた通り小テストを行う。教科書等は一旦片付けろ。机の上には筆記用具のみ。それ以外のものを出している奴はカンニングと見なして0点とする」
威圧感ありすぎな先生のその一声で、クラス中に広がる緊張感。
それにしても……先生の声、今日も低くてかっこいいなぁ。
そんなことを考えていたら先生と目が合った。
深く眉間にシワを寄せてこっちを見ている。
むしろ睨まれてるって言った方が正しい気もするけど……私、何か悪いことしたっけか。
ま、でも先生に見てもらえるだけ幸せだからいーや。
ぼんやりしているうちに、問題用紙が回ってきた。
「始め」
先生の号令と同時に、教室中に響く問題用紙が捲られる音。
周りから聞こえてくるシャーペンが紙の上を滑る音に急かされるようにして、私も早速問題に取りかかる。
あ、この問題……こないだ先生に教えてもらった問題だ……良かった、解けそう……。
そう思って安心したのもつかの間。
頭痛も寒気も最高潮で、ペンを持つ手が震えてきた。
頭がくらくらして、問題文すら上手く読めない。
私が回ってるのか、それとも周りが回ってるのか、視界がぐにゃりと歪んだ次の瞬間、世界が180°反転した。
「……わ」
ゴツン、頭に重い鈍痛が走って、そこで私の意識が途切れた。