ならばお好きにするがいい。
でも、こうなったらこうなったで仕方がない。
私がいれば一騎当千、この結城 莉華様がクラスを優勝に導いてしんぜよう……!
……と、意気込んでみたものの。
「……え?」
放課後の自主練習、校庭に集まったのはわずかクラスの三分の一。しかも私と(半ば強制的に連れてきた)聡未以外全員男子。
「ちょっとー……どういうことよコレ……」
聡未が怒りの薄ら笑いを浮かべている。
こっちが訊きたい。
「……俺らのクラスのやる気の無さ、異常だな」
「大体、担任がアレだしな」
「まぁ、いいんじゃねーの?俺たちだけでも頑張ろうぜ!なっ、結城!」
私に気を遣って笑ってくれる男子のみんなに、じーんと感動する。
そんな能天気な空気を、聡未の怒鳴り声が引き裂いた。
「頑張るって言ったってどうやって頑張るっていうのよ!ここに集まったの、たったの12人よ、12人!12人で30人以上いる他のクラスとどうやり合うっていうの!?」
半ばキレ気味の聡未の言う通り……な気もするけど。
「大丈夫!私がいれば百人力だから!」
「その自信はどっからくるのよ」
「だって私、もうかれこれ10年以上ドッジボールクラブに所属してる……といいなと思う」
「願望じゃねーか」
聡未にどやされながらも、とりあえず12人で練習することになった。