ならばお好きにするがいい。
 
しばらく練習していると、向こうから賑やかな笑い声が聞こえてきて、私たちは声のする方に視線を向けた。


少し離れた場所で練習を始めた他のクラス。


ほぼ全員いると思われる生徒の中心にいるのは……樫芝先生。



「先生がいれば優勝間違いなしだよねー」

「ん、どうかな。お前らが一生懸命練習しないと無理かもよ」

「頑張るもーん!」

「よし、じゃあ特訓始めるから、お前らちゃんとついてきなさいよ」

「はーい!」



そんな楽しそうな話し声。


ひとつにまとまっているクラス。


さすが樫芝先生、体育の先生だけあって教え方も上手で、クラスのみんなもすごく楽しそう。



そんな練習風景を見せられたら、やる気はどんどん萎える一方で。


12人しか集まっていない自分たちが、どうしようもなく恥ずかしく思えた。



「今日は、もう練習終わりにしよっか」



私がそう言うと、誰からともなくみんな校庭を離れた。





< 61 / 167 >

この作品をシェア

pagetop