ならばお好きにするがいい。
しばらく練習していると、向こうから賑やかな笑い声が聞こえてきて、私たちは声のする方に視線を向けた。
少し離れた場所で練習を始めた他のクラス。
ほぼ全員いると思われる生徒の中心にいるのは……樫芝先生。
「先生がいれば優勝間違いなしだよねー」
「ん、どうかな。お前らが一生懸命練習しないと無理かもよ」
「頑張るもーん!」
「よし、じゃあ特訓始めるから、お前らちゃんとついてきなさいよ」
「はーい!」
そんな楽しそうな話し声。
ひとつにまとまっているクラス。
さすが樫芝先生、体育の先生だけあって教え方も上手で、クラスのみんなもすごく楽しそう。
そんな練習風景を見せられたら、やる気はどんどん萎える一方で。
12人しか集まっていない自分たちが、どうしようもなく恥ずかしく思えた。
「今日は、もう練習終わりにしよっか」
私がそう言うと、誰からともなくみんな校庭を離れた。