ならばお好きにするがいい。
 
私が保健室に行った後も、なんとか練習は続いていたみたいで。

そしてその練習中、男子の投げたボールが、たまたま女子に当たって、それが相当痛かったらしく、その子は泣いてしまったらしい。

それを見た男子は、女子が真面目に練習しないからだと怒ったらしい。「真面目に練習していれば避けれた球だ」って。

それを聞いた女子は憤慨して、男子と対立。「練習なんてやりたくてやってるんじゃない」と猛反撃。

「なら練習やめろ体育祭出んな失せろ女子」「言われなくてもそうするわ滅べ男子」……と、対立は激しくなり……。


そして、今に至るという。



どうしたものかと立ち尽くしていたら、近くにいた男子にグイッと引き寄せられた。


「つーか女子テメェら腐ってんだよ!結城を見習えボケ!こいつなんて両方の鼻の穴から血ィダラダラ流れても笑ってたんだそ!」

「ちょ、やめて落ち着いて、ていうか私も女子だからね、そのことをどうか忘れないで」

「莉華はうちらとは違うのよ!」

「ちょ、やめて、軽く傷付くやめてお願い」


私を挟んで激しい火花を散らす男子と女子。


どうすることもできずに、私はただただうろたえているだけだった。



「……行こ」



女子のみんながぞろぞろと体育祭を出ていくのを、私は急いで止めた。


「ね……ねぇっ、待ってみんな!」

「莉華には悪いんだけど、うちらやっぱりドッジボールパス。ごめんね」

「そんなあ……!」


慌てて男子のもとに戻って、説得するも……。


「いいじゃん、清々した。女子いねー方がやりやすいしな」



体育祭二週間前。


ここにきて、まさかのクラス崩壊……。



「ど……どうしたらいいの……?」



私は泣きたい思いで、体育祭の端っこにしゃがみ込んだ。





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