ならばお好きにするがいい。
負けないもん。
小田切先生なんていなくても、クラスのみんなが揃わなくても。
負けないもん。
樫芝先生のクラスなんて全然……羨ましくなんかないもん……。
ピーッとホイッスルの音が高く鳴らされて、試合が始まった。
「いくぜ結城!」
「あい!」
出だしは好調。
5人といえども、さすがクラスの中でも運動神経の良い男子たち。次々に相手チームをアウトにしていく。
もちろん、私だって。
「ていっ!」
「結城お前すげーな……」
「今のボール、普通の女子……いや男子でも取れねーよ……。なんつー運動神経してんだ……」
順調、順調。
よし、このままいけば勝て……って、アレ?
しばらくして、ある異変に気付いた私はぐるりと周りを見渡した。
……誰も、いない。
いつの間にか私以外みんなアウトになっていたということに気付くまで、そう時間はかからなかった。
「でえええぇぇぇ!?うそーん!」
「頑張れー!結城ーっ」
いや、頑張れって……!相手まだ5人もいるじゃん!しかも全員男子!それに樫芝先生も!