ならばお好きにするがいい。
 
「す……すげーっ……!」


わあっとクラスのみんなが私たちの元に駆け寄ってきた。

いつの間に集まったのか、私たちが試合をしていること知って、試合に参加しなかったクラスのみんなも応援に来ていた。


「勝った!樫芝先生のクラスに勝ったあああ!」

「信じらんねー!」

「小田切先生、あんたすげーな!」

「莉華も頑張ったねー!」


私たちを囲んでわいわいと盛り上がるクラスのみんなに、ちょっと顔を赤らめて困惑した様子の小田切先生。


「小田切先生かっこよかったぜ!数学しか出来ねーのかと思ったけど、運動神経もめちゃくちゃいいんだな!」

「数学“しか”ってなんだコラ、なめんじゃねーよ」

「あはは!」



夢みたい……。


小田切先生が、みんなと楽しそうに話してる。



「いいか、よく聞け!たかが練習試合で勝ったからって調子乗るんじゃねーぞ!本番で勝たなきゃ意味ねーんだからな!これから体育祭まで二週間、俺がみっちり鍛えてやるから覚悟しろ!もちろんクラス全員だ!分かったな!」

「はーいっ!」


クラス全員の大きな返事が校庭に響いて、私は思わず泣きそうになった。



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