ならばお好きにするがいい。
 
「私は何もしてないよ!優勝できたのは小田切先生のおかげだもん!だってホラ、私一人だった時はみんなのこと全然まとめられなかったし、やっぱり小田切先生の協力があったから……」


首をぶんぶん横に振って否定する私をみた先生は、小さく口を開いてボソ、と呟いた。


「俺が協力してやろうと思ったきっかけを作ったのはお前だけどな」


そっけ無く吐き捨てられたその言葉に、胸の奥が熱くなる。


「ま、要は小田切先生と結城に感謝ってことだ!」

「そうだね、ありがとう二人とも!」

「よっしゃ!じゃあ胴上げでもするか!結城は病み上がりだしマズイよな……ってことで」


男子のみんなは顔を見合わせてニヤリと笑うと、じりじりと先生に詰め寄りだした。


「オイ……なんだお前ら……まさか……」

「そのまさかッス!」

「バカか!場所を考えろ!ここ保健室……ってオイ、ちょっ……バカ!離せっ!」


さすがの先生といえども、大人数の男子の力には敵うはずもなく。


「せーの!」


いとも簡単に担ぎ上げられた先生の大きな体は、ふわりふわりと保健室の宙を舞った。


そんな様子をみて、私も女子のみんなも、保健室の先生までも、お腹を抱えて笑った。



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