愛詩-アイウタ-
 光璃は158㎝。20㎝くらい差がある。




「るぅはでかいんだよっ!」



「普通だって。182だけど~」



「くっ…嫌味だなぁ」




 腹にパンチしてみる。



 …かたい。



「うっそ!筋肉!?脂肪でなくて?」



「筋・肉!サッカーで鍛えられてんの」



「ひぃも陸上頑張ってたもん!…中学で!」



「まぁ、オレも中学だけど」



 見た目によらず筋肉質。細身なのに。


「中学3年間の成果!」


 そう言って、帰る方向に走る。

「速っ」


 瑠架は小走りで追い掛けた。50mくらいだ。



「おっととと…」




 光璃は足元にあった石につまづく。



 漬物石か!?ってくらいのでかさ。転んであたったらかなり痛いだろう。



「小学生かよ」


 鼻で笑われる。


「こらそこっ!笑わない!!」


 ずっとしゃべりながら歩く。




 こういう時間は、本当に楽しくて、怒っていても楽しくて、思い出した時にも楽しいんだ。

 10分くらいの道が数分に感じられた。




「ひぃん家見えた☆るぅ今日はありがとね~」



「どういたまして♪またな~」



「うん、また明日!」




 大きく、大きく、手を振った。

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