愛詩-アイウタ-
 しんと静まった廊下。



 るぅの寝息だけが聞こえる。子守唄代わり?



 …ひぃも眠い。



「寝よ…」



 るぅの頭の上に頭を乗っける。

「おやすみ」


 そして、目を閉じた。




 ───夢。



 夜でもないのに。



 嫌な夢。とても。



 みんなで笑っている。ひぃも。


 なのに、みんなは次第にひぃを見て笑う。



 一緒に笑えない。



 何なの?



 苦しくて、目の前の光景を信じたくない。



 笑っていた顔がだんだん歪んで、ひきつっていく。



 誰かの足が、ひぃを蹴る。



 その瞬間目が醒めた。
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