愛詩-アイウタ-
「でも、好きって言いたかった…」


「伝わってるよ」



「るぅ、大好き」



 そう言ったらるぅは、ひぃを抱きしめた。



「ん…」



 そのまま、唇で口をふさがれる。



「ふ…ぅ…っ」



 お互いに唇を求めあった。きっと、ひぃは飢餓感に溢れていたから。るぅはそれに付き合ってくれた。


 るぅの舌は、汚れが何もなくてキレイなピンクだったのを覚えてる。ひぃは少し白い。


 “舌入れられると落ち着くみたい”なんて昨日キスした時言ったから、るぅは気を遣ってくれてる。


 るぅ以外の舌は嫌、とは言ってない。恥ずかしいし、言う必要ないと思ったから。



 少し唾液が垂れる。多分ひぃの。キスがあまりうまくないから。


 だんだん頭がぼうっとして来て、真っ白になった。酸欠?…かも。呼吸がきっと下手なんだ。



 それに気付いたのか、るぅはゆっくりと唇を離した。

「平気?」


「うん…落ち着いた」



 キスで。何か魔法みたい。ひぃが単純なんだろうけど。


 しゃべると、お互いの唇で動く糸が気になる。…唾液だ。



「うゎ…糸ひいてる」



「よくあるって」


 るぅは手で拭おうとする。それは嫌!


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