愛羅武勇×総長様 Ⅱ
そんな中、遼がちょっとだけ不機嫌な顔で歩いてきた。
「美憂…」
あれ、さっきまでの異常なテンションはどこへいった?
「どうしたの?」
そう聞くと、悲しそうな目をした。
涙がどんどん溜まっていく。
「ちょっ、何、どうしたのっ?」
「認めたくないっ」
子供のように涙をポタポタ零しながら、小さな声を発する。
幸い、あたしと柚ちゃんしか遼を見てかった。
「何を……?」
「結婚に決まってんだろぉっ……俺も美憂大好きなのにー!」
え……?
何、その親が言うような発言。
いつからあなたはあたしの親になったの?
「あたしも遼大好きだよ?」
これは本当だし。
もちろん、友達として…だけど。
…大切な人って言っても過言ではない。
「ちっがーうっ!」
遼がいきなり叫んだから、ビクリとするけど、目に溜まった涙を見ると何だか笑えてきた。