愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「大智の好きな子って聞いて、初めは見かけるたびに興味本位で見てた。」
えー…っと……?
あたしどうしたらいいんだろ?
どうすることも出来ないよね。
とりあえず話をきちんと聞こう。
「でも、いつの間にか興味本位とかじゃなく、話してみたい…って、そんなこと思うようになっちゃってさ……」
そう言う遼の顔は悲しげで、見ているこっちが悲しくなった。
それでも、あたしから目を離そうとはしない。
「気付いたらもう好きになってた。」
再び遼の頬を、涙が伝った。
「転校初日に話した時も……俺すっげぇ嬉しくてっ……大智の応援してる余裕なくなってさ…」
「遼……」
何て言ったらいいのか分からなくて、立ち尽くしたままだった。
そんな気持ちに気付いたことは、一度もなかった。
あたしの無神経な態度が遼を傷つけていたなら、あたしは本当に嫌な女だ。
「……んな顔すんなよ…」
無理矢理笑って、あたしの頭をポンポンと軽くたたいた。
「そんな顔で笑わないでよ…」
思わず本音が出てしまう。