愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「あ、やっぱ緊張してんだ。」
海斗が「やっぱり」という顔で、あたしを見た。
図星だから何にも言えないけど…
「仕方ねぇなぁ…ちょっと待ってろ。 柚、一緒に来て。」
「あっ、うん。」
柚ちゃんの腕を引きながら、海斗は部屋から出て行った。
「あぁ…、そういうことか。」
遼が分かったように、頷いた。
「何かあるの?」
「まぁ楽しみにしとけよ、海斗なりに秘策があるんだと思うし。」
遼が笑った。
でも今までの笑顔とは違う。
大人っぽくなった?
「遼、何か顔変わった?」
「はぁ?何、それっ。俺整形とかしてねぇかんなっ!」
あ、やっぱり子供だ。
さっきの大人っぽい表情から、いつもの子供っぽい表情に戻った。
「そんなこと分かってるよー…、何かちょっと大人っぽくなったかなぁ、って思っただけ。」
そう言うと、少しキョトンとした顔を見せて、あたしの横にある椅子に座った。
「そう?」
「うんっ、変わった!何か男らしさがアップしたみたいだよっ!」
「そりゃあ、良かった。」
お互いに、鏡を見たまま話す。