愛羅武勇×総長様 Ⅱ
卒業式に遼が言ったことを、一つ一つゆっくりと話していく。
「あたしのことも大好きだけど、それと同じように……大ちゃんのことも大好きだって言ってた。」
言い終えると、大ちゃんは驚いた顔をする。
「幼なじみでもあるけど、親友でもあるって、遼言ってたよ。」
「……遼らしいよな。絶対俺に直接言わねぇんだもんな、あいつ。」
そう言いながらも、あたしから視線をずらした時に見えた耳が、赤くなっていた。
あ……、大ちゃん照れてる。
「ほんと、遼らしいね。」
話している内に、段々と緊張がほぐれてきた。
「で、お前緊張してたんじゃなかったっけ? 海斗からそう聞いたんだけど。」
またいつもの顔に戻って、あたしと目を会わせた。
「大ちゃんのおかげで緊張ほぐれちゃった」
「良かったな。」
「うん、ありがとね。」
「あのさ……」
―コンコン…
大ちゃんが何か言いかけたとき、ドアをノックする音が響いた。
「そろそろ時間だよ。」
ドア越しに、遼の声が聞こえた。