愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「はーい……大ちゃん、何?」
「………いや、何でもねぇ。」
―ガチャ…
あたしの優しく頭を撫でると、立ち上がって出て行った。
―バタン…
大ちゃんの出て行ったドアを見つめる。
何を言おうとしたんだろ…?
数分すると、係りの人とお父さんが一緒に入ってきた。係りの人が説明をした後、言われた通りドアの前に立つ。
「緊張してるか?」
お父さんが前を向いたまま、あたしに問いかける。
「最初はしてたけど、もう大丈夫だよ。」
「そうか…」
お父さんが寂しげに俯いた。
「大ちゃんのおかげなんだけどね?」
「幸せそうで良かったよ。」
お父さんの腕を軽く掴んで、ドアが開くのを待った。