愛羅武勇×総長様 Ⅱ
――――――
―――――――…
「美憂ー!着いたよっ」
その声で、ハッと目が覚めた。
「わっ…ごめん、大ちゃん…」
どうやら、大ちゃんに寄りかかって寝ていたみたいだ。
教会から家が遠かったこともあって、途中からウトウトしていたのを覚えている。
「俺も寝てたから。」
「良かった…」
「ほーら、2人共降りるよ。」
柚ちゃんが声をかけてきたので、車から降りた。
「何かするの?」
「ちょっとね。」
柚ちゃんが嬉しそうな顔で、あたしの腕を引いていく。
少し向こうの方では、遼が大ちゃんの腕を引っ張っていた。
凄く楽しそうな顔で。
「大智、鍵!」
「ん…」
さっきまで寝ていたもんだから、大ちゃんは眉間にしわを寄せている。
怒ってるように見えるけど、そうではない。
起きてすぐはいつもこんな顔だから。
―ガチャ…