愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「甘っ……」
「砂糖の塊だもんね」
2人で話していると、ケーキが目の前に置かれた。
「美憂、イチゴあげる。」
大ちゃんのケーキの上にのっていたイチゴをあたしに向けた。
「いいの?」
「甘いのばっかだし。」
確かに今日は甘いものしか置いてない。結婚式でご飯食べちゃったし。
「口開けろ。」
「ん。」
口を開けると、再びイチゴが放り込まれた。
「やっぱ美味しい」
「良かったな。」
「ちょっ……おい。」
呑気に大ちゃんから貰ったイチゴを食べていると、横から声が聞こえた。
あたしの隣は遼。
さっき声を発したのも、間違いなく遼。
「何?」
柚ちゃんがケーキを食べながら、遼を見た。
…………あぁ。
遼のケーキを見てみると、1人2つずつのってるはずのイチゴがない。
1つも。
生クリームとスポンジのみの、ただのケーキにしか見えない。
「なんか俺のケーキ、真っ白じゃね?」
確かに真っ白だ。