愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「そりゃあ、良かった。」
嬉しそうな顔をして、あたしの涙を指で拭った。
「あのね、大ちゃん…」
一昨日くらいに分かったことを、大ちゃんに伝えなければならない。
「ん?」
「一昨日くらいに柚ちゃんと病院に行ったの。」
大ちゃんの顔が険しくなった。
黙って聞いてくれる大ちゃんの目を見て、話を続ける。
「そしたらね、赤ちゃん出来てるってっ」
「…………え?」
一昨日、柚ちゃんと一緒に行った産婦人科で、赤ちゃんが出来てるってことを聞かされた。
「妊娠10週目だって。だから、結婚する前から出来てたみたいなんだよね。」
「マジで…?」
驚いた顔をして、あたしを見る大ちゃんに頷いた。
「…そっか。元気な子産めよ、美憂。」
そう言いながら、あたしを優しく抱きしめる。
「うんっ」
妊娠したことと、もう1つ言わなければならないことがあった。
「大ちゃん。」
「何だよ?」
大ちゃんに抱きついたまま、話を続ける。
「赤ちゃんね、双子なんだよ。」