愛羅武勇×総長様 Ⅱ
遼らしい。
大ちゃんの家、何気に広いから。
結構人入れるし。
「美憂病み上がりだし、仕方なくオッケーしてやったんだよ。」
…あたしに気遣ってくれてるんだ……
なんか嬉しいかも…
「優しいね、大ちゃん。」
「は、どこが。」
「んー…分かんないけど。優しいよ、大ちゃんは。」
「あっそ……」
照れ隠しに、あたしから目を背けて、そっぽを向いた。耳、真っ赤だけどね。
前を向くと、大ちゃんの家が見えてきた。
マンションの階段を、手を繋いだまま上がっていく。
―ガチャ…
「んあ? あ、美憂久しぶりー!」
ドアを開けた途端に、出迎えてくれたのは、遼………のはず。
「見て、髪染め直した!」
言わなくても分かるくらいの変化。
オレンジ色だった髪の色は、茶髪になって、所々にオレンジメッシュが入っている。
「すごっ……」
「俺がやったんだ。 上手くね?」
声のした方を見ると、奥から槙が出てきた。
ピンクメッシュのなくなった、黒髪の槙が。