愛羅武勇×総長様 Ⅱ
1人で大ちゃんを待ちながら、思い出し笑いをしていたときだった。
「み・ゆ・うーーっ、あけましておめでとう!」
夜中とは思えないくらい元気な遼が走ってきて、効果音がつくくらい、ギューッとあたしを抱き締めた。
「美憂、今年もよろしくな。」
槙はあたしの頭を撫でながら、よろしく、と言う。
遼とは違ってやっぱり大人だね。
「もー、遼くるしいよー」
「はなさなーい!」
遼ってば、ほんとにその辺にいる小学生みたいにはしゃいでる。子供っぽいっていうか、無邪気っていうか。
――あれ…?
いつもなら、遼がこんなことしてたら大ちゃんすぐに怒るのに…
何で怒らないんだろう。
そう思って、大ちゃんがいた方向を見る。
「く…っ……はっ……」
―カランカラン…
「大ちゃん……?」
あたしたちから少し遠くにいた大ちゃんが、何故かお腹を押さえている。
近くには―
赤く染まったナイフ。