愛羅武勇×総長様 Ⅱ
―ドクン…
心臓が跳ね上がるのと同時に、冷や汗が背筋を伝った。
大ちゃんの足下には赤い血がたくさん流れ出ていて、水溜まりを作ってる。
フラフラして、立つのもやっとな大ちゃんの前には…
狂羅の総長、真白來門がいた。
「真白っ!てめぇ!!」
遼が真白に殴りかかった。
その声と共に、大ちゃんが崩れ落ちた。
「大ちゃん!!」
慌てて大ちゃんに駆け寄って、血が溢れ出る傷口をおさえる。
「大ちゃんっ、大ちゃんってば!!」
「っはぁ………な、んだよ…っ…」
どうして。
どうして、こんなに苦しそうなの?
大ちゃんのこんな姿、初めて見た。
お腹から流れ出る血は、まるで水が流れ出るかのように溢れてくる。
あたしの手も、真っ赤に染まった。