愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「死んだら許さないんだからね!!」
「バーカ…」
あたしの手を弱々しく握ると、寄りかかってきた。そのまま、受け止める。
「ざけんなよ!!」
遼はまだ真白を殴り続けている。
止まる気配がない。
「遼っ、やめろって…!」
槙が暴走した遼を止めようとしている。
「離せっ…!」
「こんなやつ殴る価値なんてねぇよ!」
槙が怒鳴ると、遼の動きがピタリと止まった。
遼の顔はほんとに悔しそうで。血が出るんじゃないかってくらい、手を握りしめていた。
ようやく騒ぎに気付いた、周りにいた人達が、警察に連絡をし始めた。
真白は放心状態で、動かない。
「大丈夫ですか…?」
何人かの女の子が、ハンカチを貸してくれた。
「ありがとうございます…っ」
傷口をそっと押さえると、すぐにハンカチは真っ赤に染まった。
怖くなって、涙が溢れる。
大ちゃんの手を握る力を強くして、ひたすら祈るしかなかった。