愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「お前が嫌いなんだよ。」
「健、ちゃん……」
健ちゃんが狂羅のメンバーだから。
違和感の正体はこれだ。
そうなれば話は全部辻褄が合う。
綾香にあたしが通ってる学校を教えたのも、大ちゃんと同じクラスだって教えたのも、健ちゃん。
あたしの家を教えたのも、写真を撮ったのも健ちゃん。
「彼氏、大変そうだねー。」
冷たい笑みをあたしに向けた。
「何しにきたの…っ」
最初から健ちゃんが考えてたことだったんだ。
「元カレに向かってひでぇな。」
「そうね。」
扉の後ろから、女の人が出てきた。
「綾香…!」
「美憂、あたしが真白を動かしてたって、気がつかなかったー?」
綾香が真白を動かしてた…?
じゃあ真白と綾香は付き合ってないってこと?
「ぜーんぶ俺の思い通り。いやー、真白があんなに上手く動いてくれるとはなー…」
あぁ、そうか。
綾香と健ちゃんが付き合ってるってことだ。
真白が綾香に好意を抱いていることを利用して……真白が動かせれば、狂羅全体を動かせるのと同じ事。