愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「龍泉は…」
「あ?」
「龍泉はあんたなんかに潰せるようなチームじゃないんだから!」
さっきまでの不機嫌な顔を、さらに怒らせて、あたしに歩み寄ってきた。
「てめぇ、調子に乗んなよ。」
「あんたこそ…っ」
「ほんとムカつくわ。」
「痛っ…!」
あたしの腕を掴むと、凄い力で握り締める。
―パンッ…
頬がジンジンと痛んだ。
あぁ、あたし殴られたんだ。
「痛っ…!」
「あーあ、お前がそんな態度とるからさー、余計に潰したくなる。」
「触んないでよ!」
力を振り絞って健ちゃんの体を押すと、距離が離れた。
―ガンッ!
鈍い音と共に、額が痛み出す。
生暖かいものが伝っているのが分かった。
床に転がってるのは、机に置いてあったジュースの缶。あたしの額に当たったのは、これだった。