愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「まぁ…厄介なやつは弱ってる時に潰しとくか…」
「な、に言ってんのっ」
「やれるもんならやってみろ。おまえみたいなやつには負ける気がしねぇんだよ。」
大ちゃんは体を起こして、ベッドから下りた。
「ダメだよ大ちゃん…っ」
「お前が怪我してんのに、俺が黙ってるわけねぇだろ。」
「はっ…笑えるわー…バカみてぇ。」
口角を上げて、鼻で笑った。
あたしには分かる。
目の奥が笑ってない。
健ちゃんは本気だ…
「ダメっ!絶対ダメ!」
そう言って、大ちゃんの前で手を広げて健ちゃんが近づくのを防ぐ。
「美憂、危ねぇから帰れ。」
「ヤダ…っ、大ちゃん今喧嘩なんかしたら傷口が…!」
「いいから帰れ。」
「絶対帰らないから!」
「健、あたし先に行くわ。こんなとこにいたら時間の無駄。いつもの場所にいるから。」
「あぁ、車用意しとけよ。」
「分かってる。」
ドアを開いて、出て行こうとした綾香が驚いた声をあげる。
「…!何であんた…!」
「どうした?」
綾香の声に反応した健ちゃんが、ドアの方へ振り向く。