愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「はっ……さすがうちの総長様だな。」
「っ!?……てめぇらっ!」
あたしと大ちゃんも、声のした方を見る。
「なぁ、小林。狂羅……もう再起不可能だぜ?」
「遼っ!」
「お待たせ、美憂。」
「槙!」
「さてと……うちの総長も復活したところだしー…後はお前らだけだな。」
そう言って、遼と槙は病室に入ってきた。
「警察で真白がお前らのこと白状したぜ。 捕まるのも時間の問題だ。」
「チッ……綾香!」
「わ、分かってるわよ!」
焦った表情で病室を出て行く綾香。
それとともに、パトカーと思われるサイレンが聞こえ始めた。
「いい加減諦めろ。お前の負けだ。」
「ざけんじゃねぇよ!!」
大ちゃんの言った言葉に逆上した健ちゃんが、なぐりかかってくる。
「わっ…!」
油断していて、避けきれなかった。
拳を振りかぶった健ちゃんを見て、咄嗟に目を閉じた。
―バキッ!
「っ………?」
ギュッと目を瞑っていたから、目の前で何が起きたか分からなかった。
あたしはどこも痛くない。