愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「大智!!」
遼が駆け寄ってきた。
「え………大ちゃん!?」
あたしを庇ったのは、紛れもなく大ちゃんだった。
怪我をした部分から、血が滲み出始めた。
「傷口が開いてる!」
「医者呼んでこい!」
健ちゃんが、呆然と立ち尽くしているのが目に入った。
その瞬間に警察が病室に入ってきて、健ちゃんと綾香を連れて行った。
スローモーションのような感覚で、手錠をかけられる2人を、見つめる。
「やっと終わった……?」
「退いてください!通ります!」
大ちゃんは呆気にとられながらも、担架で運ばれる。
「い、いや、俺大丈夫…」
傷口が開いたくらいでどうにかなるような人じゃないもんなぁ……
「あなた怪我してるじゃない!」
横を通り過ぎようした看護師さんに気付かれた。
「あ、はは……」
「あーっ!俺の大事な美憂の顔に傷がっ!」
「お前のじゃねぇだろ。」
「そこ指摘すんなよ…」
「とりあえず来なさい、消毒してあげるから。」
「はーい……」