愛羅武勇×総長様 Ⅱ

「はぁ? おい、てめぇ。最初に走り出したの誰だよ。」

「……誰だっけ。」

絶対遼だ。


「柚ちゃんっ!」

「美憂!」

「わっ…!」

柚ちゃんが走ってきて、あたしに抱きついた。

「何その顔!」

「あー…えへっ…」

「もしかして…健?」

「…うん」

「やっぱり………あの男やることが汚すぎる。」

あ…そういえば。

「何で健ちゃんが関わってるって分かったの?」

「いや…、クリスマスの次の日ぐらいに綾香と健が腕組んで歩いてるの見てさー。もしかしてって思って、神岡に言っといたんだけど」

柚ちゃんって勘が鋭い。

あたしだったら何とも思わないだろうし…


「刺されたって聞いて焦ったんだからね!」

「ご、ごめんなさい…」

「無事で良かったよ…」

あたしの頭を撫でると、病室に入っていく柚ちゃん。

風磨と槙はいつの間にか病室に入っていた。

海斗、恋汰、実瑠ちゃんは看護士さんに怒られてる。

遼は………大ちゃんに説教されてるね。

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