愛羅武勇×総長様 Ⅱ
「俺重症かな!?」
「あ、そうそう。光紀は留年みたいだぞ」
「え?」
海斗が口を開いたかと思えば、とんでもないことを言い始めた。
「当たり前だろ。一週間に1回来るか来ねぇか分かんねぇやつだぜ?」
平然とした様子でそう言った槙。
「光紀って?」
「あぁ、言ってなかったっけ?大智の双子の弟。」
珍しく、遼が恋汰の問いに真面目に答えた。
「あぁ、斉藤か。」
風磨は知ってたみたいだ。
「何で風磨知ってんだよ?」
「斉藤光紀って結構有名じゃん。色んな意味で。」
確かに…
「ふーん…」
「で、光紀が留年っつーことは……」
「良かったな、大智。あいつ多分来年も留年だぜ?(笑)」
「だろうな。」
光紀が留年することに何のメリットがあるんだろ…?
―ガラガラ…
「わっ……いっぱい来てますね。…あ、神岡さん。明日検査しますので、そのときに異常がなければ明日のうちに帰れますから。」
それだけ言って、看護士さんは出て行った。
『早くね?』
遼、槙、風磨、恋汰、海斗が一斉にそう言った。
「退院しても大丈夫そうだからかな?」
「そうだろ。こんなに早い回復は初めて見たって言われたし。」
それにしても早すぎるでしょー…
入院してまだ2日目なのに。